人の会話は、言葉だけで成り立っているのではない。
言葉は抽象化された一つのヒントであって、きっかけに過ぎない。
言葉と言葉を繋いで聞き手は頭の中で映像として結んでいるはずだ。
例えば、話し手が昨日自分の身に起ったことを話しているとすると、
聞き手は、話し手がどんな場所で、どういう時に、何に遭遇したのか、などということを
話し手を主体とする映像を頭の中で組み立てている。
しかし、それは聞き手の一方的な想像に過ぎず、実際とは異なる場合が多い。
それでも会話が成り立つのは、話し手が聞き手の反応から言葉の表現を変えて
聞き手の想像を修正できるヒントを提供するからだろう。
話術に長けた人なら、聞き手の反応を機敏に察知し、修正を繰り返さず、
聞き手の想像力を瞬時に読み取って話をするので聞きやすいのだ。
だが、話し手が読み取る聞き手の反応もまた、一方的な想像に過ぎない。
お互いの想像が行き違うと、とんでもなく会話はちぐはぐなものとなるだろう。
会話は、他人の行動からその心理を読み取って行う一番身近なものである。
ここで一番重要なのは、心理学ではない。
先ず自分の想像力が一番のスケールでなければならない。
心理学は、統計学的なものも多くあり、行動と心理を結ぶ一例に過ぎない。
ここでは心理学というものを全く相手にせず、想像力ということを中心に、
簡単な例題を元に他人の行動と心理について考えていこうと思う。
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